きょう、まいにち。

40代引きこもり主婦。北米在住。

お伽草紙 新釈諸国噺

太宰治の作品です。

 

読み終わりましたー。

 

新釈諸国噺は1944年に複数の雑誌に発表された井原西鶴の作品を翻案したものを1945年1月に書き下ろしと合わせて出版したもの。お伽草紙は皆が知っている御伽話をパロディにした4遍を前書と共に1945年10月に出版したものだそう。

 

空襲がある中書かれたものなのに悲壮感を感じさせない軽快な文章で驚きました。おとぎ話や井原西鶴の作品を翻案するのはナショナリズムの反映らしいのですが、極限の状態でハイな部分もあったのでしょうか?

 

ただ、お伽草紙の方はだいぶ男性陣が女性陣と比べて純粋に書かれているような…そいうところも魅力なのかと思いますが…。新釈諸国噺井原西鶴を読んだことがないので原作と翻案の境目がさっぱり分からず何となく読むことになりましたが、最後の方の数編は共感できる部分もあり面白かったです。

 

かなり印象に残ったのが後書き。注釈と後書に、考察、元になった文献、新釈諸国噺の一話一話のどこが原作と違うかなんかがしっかり解説されていて脱帽しました。すごい人がいた物です。